成果・改善

公営塾の成果はどう測る?

回答者数と指標を若狭町の実証から考える

何回届けたか、何人が続けたか、回答者はどう感じたか。若狭町の実証を例に、分けて見てみましょう。

95.8%は、回答した受講者23人/24人。

受講者と保護者は別の調査です。人数を合算せず、誰の、どの設問への評価かを示します。未回答者を含む全参加者の評価ではありません。

受講者:授業全体への肯定評価95.8%
23/24人。回答期間:2026年7月31日〜8月18日。
受講者:理解や苦手に合った教え方91.7%
22/24人。回答期間:2026年7月31日〜8月18日。
保護者:全体満足度81.1%
30/37人。回答期間:2026年7月31日〜8月18日。
保護者:自宅からの参加しやすさ100%
37/37人。回答期間:2026年7月31日〜8月18日。
出典:2026年9月11日付 若狭町実証実験報告書 p.5・14。有効回答は受講者24人、保護者37人。割合は小数第1位まで、100%は整数で表示。

1,662回の授業と、終了時52名は別の数字。

株式会社irodoriは2026年3月23日に若狭町と連携協定を締結。町内の中学2・3年生へ、数学・英語を中心とする1対1のオンライン個別指導を実施しました。

実施した授業数1,662回
2026年4〜8月の合計。人数ではありません。
実証終了時に残った人数52名
2026年4〜8月の実証。初期申込60名、辞退等8名。
出典:2026年9月11日付 若狭町実証実験報告書 p.5・23。NextStepの実証事業の集計です。

参考資料:[2]

「役立った実感」と「効果の証明」は分ける。

学習の変化を尋ねた複数選択の設問では、次の回答がありました。本人の手応えを捉える大切な情報ですが、成績向上の因果効果を検証した数字ではありません。

分かる問題が増えた70.8%
受講者17/24人。回答期間:2026年7月31日〜8月18日。
学校の授業やテストに役立った58.3%
受講者14/24人。回答期間:2026年7月31日〜8月18日。
出典:2026年9月11日付 若狭町実証実験報告書 p.14。本人の実感を尋ねた複数選択の設問です。

届けた量と、学びの変化を分ける。

授業が多いことと、学習に変化があったことは別です。目的に対して何を確かめるかを整理すると、次に改善する点が見えやすくなります。

実施した量
予定した授業を、どれだけ届けられたか。
参加の状況
利用を始められたか、続けられたか。
体験と変化
本人はどう感じたか。目的に合う学習の変化があったか。

参考資料:[1]

開始前に決める、4種類の記録。

以下は本記事の提案です。項目を一度に増やすのではなく、現場で続けられ、次の判断に使えるものを選び、集め方と担当を決めます。

事業の目的に合わせて選ぶ記録

表は横にスクロールできます

記録の種類残しておきたいこと
実施同じ期間の予定授業数・実施数・休講や欠席の理由
参加申込・初回受講・終了時の在籍・途中辞退を区別
体験同じ設問による評価、有効回答数、未回答の状況
学習目的に合う確認問題や振り返り、開始前後の条件、受講量

参考資料:[1]

良い評価と、残った課題を次につなぐ。

若狭町の保護者満足度は、とても満足10人、満足20人、中立6人、低評価1人(回答37人)。肯定的な声とともに、負担や困りごとも確認します。

  1. 01

    課題を確かめる

    評価が分かれた点や参加の負担を確認。未回答を満足・不満と決めつけない。

  2. 02

    次の対応を決める

    何を変えるか、誰が担当するか、いつ確認するかを報告に添える。

  3. 03

    改善後を記録する

    接続支援を見直すなら、次回は入室できるまでの状況も確かめる。

成果を読むときの補足

満足度が高ければ、学力向上の効果があったといえますか?

満足度だけでは断定できません。満足度は回答者の評価であり、得点の変化や事業による因果効果とは別です。事前・事後の測定条件や他の要因も踏まえ、測定した範囲で説明します。

若狭町の95.8%と100%は何を表す数値ですか?

95.8%は有効回答24人の受講者のうち23人による授業全体への肯定評価です。100%は回答した保護者37人全員による自宅からの参加しやすさへの肯定評価です。全参加者の成績向上率や端末利用率を示す数値ではありません。

終了時52名を受講完了者と表示できますか?

できません。若狭町の報告書で52名は、初期申込60名のうち辞退等8名を除き、実証終了まで残った人数です。全員が全予定授業を受講したという意味ではありません。

参考資料・出典

資料確認日:。制度や条件は各自治体の最新の案内をご確認ください。

  1. 文部科学省:ロジック・モデルの定義・意義(政策評価の考え方)
  2. 株式会社irodori:若狭町との連携協定・実証事業の公開発表(PR TIMES)

図解・チェック項目はNextStep編集部による整理です。他自治体の事例はNextStepの導入実績や提携を示すものではありません。

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